株式会社 シーメイダ

おしえてドクター神経質はストレス増 健康管理は「いいかげん」で?

Doctor’s View
健康維持に必要なことで意外に見落とされているのが精神的なストレスだ。いくら健康的な食事をしても、ストレスが強ければ、脳や体は疲れ果て、やがて病気になる。ストレスの管理に必要な心構えとは何か。順天堂大医学部特任教授(免疫学)で同大アトピー疾患研究センターの奥村康・センター長にストレス管理法を聞いた。
 ■順天堂大医学部、奥村康・特任教授(免疫学)

ホットスムージー

数値にこだわらずおおらかに
健康維持に必要なこととして、定期的にしっかりと健康診断を受け、真面目にコツコツと食事管理をする、といったイメージがある。しかし、奥村教授は「精神的なストレスからみた場合には、あまりにも生真面目な態度より、多少、いいかげんに対処した方がよい」と自説を話す。

その事例として、よく挙げられるのがフィンランドで実施された疫学調査。1974年から15年間、40〜45歳の男性1200人を二つのグループに分け、一方は定期的に健康診断を受けさせ、血圧などの数値が高ければ薬を処方した。また、専門家が喫煙やアルコールの飲み過ぎを控えるように指導し、食事や運動面でもアドバイスをした。

もう一方のグループは、定期的に健康調査票に自分の健康状況を記入するくらいで、特に制約はもうけず、アルコールやたばこも好きな人は飲んでも吸ってもよいという条件で経過を見た。
15年たって、どちらが健康だったのか。意外にも、制約のなかったグループの方が死亡、自殺、心臓血管系の病気が少ないという結果が出た。これをフィンランド症候群という。 この結果に関して、奥村教授は「検査数値にこだわり過ぎて、健康管理に神経質になるのは健康にとっては、むしろマイナスに働くのでは」と免疫学の視点から解釈する。

必要以上に健康のことを考えないほうがむしろ健康によいという逆説だ。心の状態と体の健康は思っている以上に密接につながっている。健康状態が薬を飲まねばならないほどは悪くないのに、勝手に異常だと思って、不安を感じてしまうほうが体に悪い影響を及ぼす−−というのが奥村教授の考え方だ。 同じストレスでも、良いストレスと悪いストレスがある。健康によくないのは、「愛する人を失う」「働き過ぎてうつ状態になる」「監禁される」「ちょっとしたことで暗い気持ちになる」など、免疫力を低下させるようなストレスだ。逆に、何かに立ち向かうストレスは免疫力を上げる。
運動でも長距離マラソンのような激しい運動のあとは免疫力が落ちて、風邪をひきやすくなったりする。運動をするなら、ちょっと速足で歩くくらいがよい。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、ストレスがなく、リラックスした状態は副交感神経が優位になったとき。健康管理で大事なのは、そのバランスをうまく保つことだ。
朝から晩まで働きづめだと交感神経が優位になり、車で言えば、アクセルの踏みっぱなし状態となって、身も心も疲れ果てる。
がん細胞や風邪のウイルスなどを撃退するナチュラルキラー(NK)細胞などのリンパ球は、ストレスのない副交感神経が優位なときに威力を発揮する。このNK細胞を元気にさせておくことが免疫力の維持につながる。「夜遅くまで働く人はちょっと昼寝をするとか、いいかげんな不良っぽさも必要だ」と奥村教授は話す。

最近は腸内環境が免疫力維持に重要なことも分かってきた。ストレスが強いと腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れる。日ごろから、乳酸菌飲料や納豆などを取って、腸内環境を整えるのもよい。 ストレスを少なくするには、日常のちょっとした気持ちの持ち方も大切だ。 たとえば「異性にときめくこと」もよい。誰かに恋をして、心がときめいているときは風邪を引きにくかったり、持病の腰痛が軽く感じたりする体験が少なからずあるはずだ。気分がいいと免疫力が上がるからだ。妻を失った独身男性が妻のいる男性より短命といわれるのも、こうしたストレスの観点からも説明できる。
たばことストレスの関係に関しては、異論が出てくることも予想されるが、「禁煙によってストレスが高じてしまうほどの状態になるなら、無理して禁煙するストレスの害のほうが大きい」と奥村教授はみる。肺がんの背景には大気汚染なども関係しているとの見方もある。 ストレスを感じないようにするには、日常で笑う機会を増やすことも大事だ。笑うとNK細胞の活性が上がる。硬い講義を聴いたあとと漫才を聞いて笑ったあとでは、笑ったあとのほうが血糖値の上昇が抑制されたという糖尿病患者の実験結果もあるほどだ。笑いは作り笑いでもよい。笑顔を作れば、顔の筋肉が緩むため、脳は笑ったと判断し、笑顔と同じような脳のホルモンを分泌し、副交感神経が優位になる。

教会に通う人と通わない人を比べると通う人のほうが平均寿命が長いという米国の研究報告がある。教会に通うこと自体が生活習慣を改善する効果もあるだろうが、祈りや信仰は、自己治癒力にプラスのようだ。病気になったときは、「ここもあそこも痛い」と嘆くばかりでなく、「きょうはここが良くなった。あそこも良くなっている」とよい面を見るように心がけることが大事だ。 食べるときはよくかむことが大事になる。
かむことは脳の血流を改善し、姿勢もよくなる。高齢になって歯がないと長生きはできない。奥村教授は「値段の高いサプリメントを買うよりは、歯にお金をかけたほうがよい」とアドバイスする。【小島正美】

心の健康状態知ろう ストレスチェック受検を メンタル不調を未然防止
ストレスチェック(心理的負担検査)とは、ストレスに関する選択回答式質問票に従業員が記入し、自分の心の健康度合いを調べる簡単な検査のこと。改正労働安全衛生法に基づいて昨年12月から、50人以上の従業員がいる事業所に年1回、義務づけられた制度だ。うつなどのメンタルヘルスの不調を未然に防ぐことを目的としている。ただし、受検するかどうかは本人の自由だ。 検査は「ストレスの原因」「ストレスによる心身の自覚症状」「周囲の支援」の3事項について点数化して評価する。形式に決まりはないが、厚生労働省は模範例として「国が推奨する57項目の質問票(職業性ストレス簡易調査票)」と「結果のイメージ」をホームページに載せている。実際に検査を行う「実施者」は医師や保健師ら専門知識のある人で、事業所自身はなれない。外部委託業者でも可。質問票の回収やデータ入力などの事務作業は外部委託業者のほか事業所の一般従業員でも行えるが、人事権を持つ管理職らは除かれる。 検査結果は事業所ではなく実施者が直接、個人に渡す。結果で「医師による面接指導が必要」と判断された場合、1カ月以内に医師に申し出れば面接指導を受けられる。面接した医師は本人の事情や意見を聴き、事業所側に伝えて労働時間の短縮など就業上必要な措置を取ってもらう。

個人の他にも、部・課・グループなど集団ごとの結果・分析をし、事業所に職場環境の改善を進めることを努力義務として求めている。  受検者にとっては、プライバシーの保護のほか、受検や結果によって不利益を被ることがないかが不安点になる。  検査に関わった者には守秘義務が課せられ、違反すると刑罰の対象となる。検査結果を本人の同意なしに事業所に開示することも禁じられている。ただし、医師に面接指導の申し出をした場合は事業所への結果提供に同意したとみなされる。面接指導の結果は事業所が5年間、保存しなければならない。
また、事業所側には▽医師による面接指導を希望した▽検査を受けない▽検査結果の事業所への提供に同意しない▽面接指導が求められているのに医師に申し出をしない−−ことを理由に不利益な処遇をすることを戒めている。さらに、医師の面接指導の結果による解雇、雇い止め、退職勧奨、配置転換なども認めていない。 厚労省労働衛生課産業保健支援室の中村宇一・室長補佐は「自分のストレス状態を知らない人が多い。正確に把握して気を付けてもらうとともに、職場環境の向上にもつながるので、ぜひ受けてほしい」と話している。【清水隆明】

奥村流のストレス予防法
(1)心を許せる話し相手をつくる
(2)趣味をつくる
(3)泣きたくなったら泣く、おかしいときは笑う
(4)異性に関心をもつ
(5)腸内環境を整える
(6)検査数値に一喜一憂しない
(7)よく笑う
(8)適度に運動する
(9)粗食でなく食べる楽しみをもつ
(10)何かあっても能天気にかまえる

http://mainichi.jp/articles/20160128/ddm/010/040/035000c (毎日新聞2016年1月28日 東京朝刊)

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