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夏バテ・熱中症防ぐ食事 糖質はビタミンB1とともに

夏バテ・熱中症防ぐ食事

暑くなると食欲が落ちるもの。しかし食事をきちんととらないと、夏バテを起こしてしまう。
「夏バテで体力が落ちると熱中症にもなりやすくなります。食事や睡眠がしっかりとれていれば、重度の熱中症になることはほとんどありません」と小川さんは話す。
特に、食が細くなりがちな高齢者は意識してバランスよくしっかり食べることが必要。必要な栄養素をきちんととって夏バテを防ぐことは、熱中症予防にもつながる。

■糖質と併せてビタミンB1をとる

暑くなると食欲が落ちるもの。しかし食事をきちんととらないと、夏バテを起こしてしまう。「夏バテで体力が落ちると熱中症にもなりやすくなります。食事や睡眠がしっかりとれていれば、重度の熱中症になることはほとんどありません」と小川さんは話す。特に、食が細くなりがちな高齢者は意識してバランスよくしっかり食べることが必要。必要な栄養素をきちんととって夏バテを防ぐことは、熱中症予防にもつながる。

  特に意識してとりたいのはビタミンB1だ。夏はどうしてもサッパリとした麺類や冷たい飲み物に偏りがちになってしまうが、これらは糖質の多い食品。糖質は大切なエネルギー源だが、「ビタミンB1を一緒にとらないと糖質をうまくエネルギーに変えることができず、夏バテしやすくなってしまう」(小川さん)。糖質と併せてビタミンB1をしっかりとることで、基礎体力を維持しよう。
  ビタミンB1は、豚肉、ウナギ、玄米、大豆、そら豆、モロヘイヤなどに多く含まれる。より効果的なのはB1の吸収を良くするアリシンと一緒にとること。アリシンとは、ニンニク、ネギ、ニラなどに含まれるイオウ化合物で、調理するときはすりおろしたり細かく刻んだりしたほうがいい。刻んだネギを載せた冷ややっこや、豚肉とニラの炒め物などなら、ビタミンB1とアリシンを同時にとれて一石二鳥だ。

   効率よくB1をとるため、野菜をぬか漬けにするという方法もある。ぬかに豊富に含まれるB1が野菜に吸収され、B1を気軽にとることができるうえ、腸内環境を整え、免疫力をアップさせる植物性乳酸菌も一緒にとれる。また、「主食を白米から玄米に替えるのもお勧めです」と小川さん。『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』によると、玄米には白米の8倍のB1、7倍のマグネシウム、4.7倍の食物繊維が含まれている。


■色とりどりの野菜で抗酸化物質もとる

   紫外線も夏バテの一因となり得る。というのも、紫外線が肌に当たると体内で活性酸素が発生するからだ。ご存じの通り、活性酸素は細胞を傷つけ(酸化)、老化の大きな原因といわれる。さらに「FF(Fatigue Factor)」というたんぱく質を発生させ、肉体的疲労と精神的疲労の両方を増加させる。紫外線が強くなる夏は、いつも以上に抗酸化物質を多くとって体の酸化と疲労物質FFの発生を食い止めなければいけない。

   抗酸化物質にはいろいろあるが、代表的なものは抗酸化ビタミンとも呼ばれるビタミンA、C、Eだろう。Aの多い食品はレバー、ウナギ、ニンジン、ホウレンソウなど。Cの多い食品はピーマン、ブロッコリー、ゴーヤ、トマトなど。Eはモロヘイヤ、カボチャ、アーモンドなどに多い。

夏バテ・熱中症防ぐ食事

  「ビタミンA、C、Eは合わせてとると相乗効果があり、より抗酸化力が高まります。複数のビタミンをとるコツはカラフルに食べること。赤、黄、緑など、色とりどりの野菜をとるように心がけてください」(小川さん)

  ビタミン以外にもトマトのリコピンに代表されるように、野菜は自身を酸化から守るためのフィトケミカルという抗酸化物質も持っている。フィトケミカルは細胞膜の中にあるため、個々の細胞を壊さないと吸収されにくい。時間をかけて煮込むスープなどがベストの調理法だ。

■鶏の胸肉は「疲労回復物質」を増やす

  ビタミンB1、抗酸化物質と、この時期とりたい栄養素を紹介してきたが、肉や魚、卵、乳製品などに含まれ、細胞の原料となるたんぱく質は、最も重要な栄養素といっても過言ではない。不足すると体内のたんぱく質を分解して補おうとするため、筋肉の量が減って体力が落ち、疲れやすくなってしまうのだ。たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、食品からとるしかない。

  また、アミノ酸が数個つながったものをペプチドと呼ぶが、最近注目されているのが鶏の胸肉やマグロに多いイミダゾールジペプチドだ。「長時間移動する鳥や魚の肉にたくさん含まれている成分で、疲労回復効果があります」と小川さんは話す。

  前に触れたように、脳が疲労を感じるのは疲労物質FFが発生するため。FFが増えることで、心臓病や糖尿病を引き起こす可能性もあるという。FFによって傷ついた細胞を修復し、疲労を取り去るために体内で作られるのが「疲労回復物質FR(Fatigue Recover Factor)」と呼ばれるもの。先述のイミダゾールジペプチドには、この疲労回復物質FRを増やす作用があるといわれる。ちなみに、適度な運動、リラックス、十分な睡眠によっても疲労回復物質FRは増えるという。

■1日1杯の味噌汁を

  もちろん熱中症対策として、水分の補給は基本だ。「夏の1日に必要な水分は体重(キログラム)×30mLが目安です」と小川さん。体重60キロの人なら1800mLとなる。

  「熱中症予防にスポーツドリンクを飲む人もいますが、糖分や塩分が多く含まれています。熱中症になったときは体内に素早く水分を取り込めるので有効ですが、予防として日常的に摂取することは健康な人にはあまり好ましくありません。麦茶やミネラルウォーターなど、無糖のものを選びましょう」(小川さん)

  たくさん汗をかく夏は水分だけでなく、塩分(塩化ナトリウム)の補給も忘れてはいけないといわれる。しかし、日本人は塩分をとりすぎている人が多い。2016年の「国民健康・栄養調査」によると、成人男性は1日10.8グラム、成人女性は9.2グラムも食塩をとっており、世界でもトップクラスの摂取量だ。ちなみに、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では男性8グラム未満、女性7グラム未満を、WHO(世界保健機関)は1日5グラム未満を推奨している。

  塩分のとりすぎは血圧を上げ、動脈硬化を進める。長時間屋外にいたり、激しい運動で大量に発汗した場合は別として、「通常の食生活で塩分が不足することはないので、必要以上にとることはありません」と小川さんは注意する。

  ナトリウムとカリウムの摂取方法として、小川さんは味噌汁を勧める。

  「海藻類の具材でカリウムもとれるし、適度な塩分を含みます。夏バテ、熱中症予防には朝に1杯の味噌汁を。発酵食品の味噌によって腸内環境が整えられ、免疫力もアップします」(小川さん)

夏バテ・熱中症防ぐ食事

   腸には免疫細胞の7割が集まっているので、腸内環境が良くなると免疫力が上がる。腸内の善玉菌を増やすには、味噌や納豆などの発酵食品を積極的にとること。善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖、腸自体に直接良い働きをするオメガ3系脂肪酸(シソ油に含まれるαリノレン酸や魚に含まれるDHA・EPAなど)をとるのもいいという。

水分はもちろん、必要な栄養素もしっかりとって夏バテ、そして熱中症を防いでほしい。

(ライター 伊藤和弘)

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO32764080Z00C18A7000000?channel=DF140920160927diamond.jp/articles/-/163351
(2018年07月17日日本経済新聞)

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